gyabunekoの部屋

レトロPC(MSX)でChiptune音楽、ゲーム、その他いろいろ趣味について書いてます。

初めてパソコンでFM音源の音を聴いたある日(その1)(回想録)

 1980年代当時の話です。

(今回の話は、記憶がだいぶ薄れていて中々思い出せないのですが、何とか記憶を掘り起こして書いてみました。)

 

 MSXで曲プログラムの作り方が分かって、その楽しさに目覚めた私(当時は高校生)は、楽譜を見ながらそれをプログラム化するという事を、ほぼ毎日のようにやっていました。それと同時に、ゲーム音楽耳コピーしてその曲をプログラムミングもしていました。

そしてそのうちに、楽譜を見なくても暗譜で曲プログラムを打ち込めるようにもなりました。

 

 そんなある日の事、学校帰りに立ち寄った電気屋さんにPC(確か、富士通FM77AVだったような・・・)があったので、ちょっと腕試しとばかりに、そのPCを使ってその場でゲーム音楽アルカノイドのネームエントリー)の曲プログラムを作って演奏して(当然、楽譜はそこには無くて、耳コピーで覚えてきたのをそのまま暗譜で打ち込み)、一人悦に入っていました。

MML(Music Macro Language)はMSX以外の機種でもほぼ同じなので、他機種にも応用出来た。)

 すると、その隣のFM77AVからゲーム(レイドック)のデモ音楽が鳴り響き、今まで聴いた事が無い音に「何だこれは!?」と、MSXのPSGとは桁違いにリアルな音色に驚いた。

 後で分かった事だが、FM77AVには、4オペレータFM音源3chとSSG(PSG互換音源)3chが内蔵された音源チップ(YM2203)が搭載されていたのです(ちなみに、MSXに搭載されている音源チップはPSG 3chのみです。)

  確か、これが初めて聞いたパソコンのFM音源サウンドだったと思う。 

 

「あ、もうこんな時間だ。そろそろ帰らなきゃ」と、先ほど作った曲プログラムを実行したまま電気屋さんを後にした私は・・・

「良いな~あの音。自分が持ってるMSXはPSGしか付いていないから、あの音色が出せないもんなぁ・・・(´・ω・`)ショボーン」

「ん、待てよ?でも、電気屋さんに行けば、いつでもパソコンのFM音源の音が聴けるよね!」

「よし、FM音源用の曲プログラムの作り方を覚えて、あの電気屋さんでその場でプログラムを作って聴こう! (´∀`)」

 ・・・と、そんな事を考えながら、帰りの汽車に乗った。

 

 家に帰って来た私は早速、FM音源用のMMLとコマンドを確認するため、マイコンBASICマガジン別冊(namco VIDEO GAME MUSIC PROGRAM大全集)に掲載のサウンド機能解説と曲プログラムリストを見ていた。

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namco VIDEO GAME MUSIC PROGRAM大全集(マイコンBASICマガジン別冊)電波新聞社

 「何何?@コマンドでFM音色指定・・・他のコマンドはMSXとほぼ同じか。ふむふむ・・・なるほど、@コマンドさえ覚えておけば、FM音色を鳴らせるのか。よっしゃ!」

「今度、あの電気屋さんに行ったら、沙羅曼蛇のボス曲を打ち込んでみようかな・・・(・∀・)ニヤニヤ」

 

MSXユーザの私にとってはFM音源搭載のPCは憧れでした。当時はYAMAHAからもMSXで使えるFM音源ユニットが発売されていたのですが、まだまだ高嶺の花でした。

いつかはクラウン、じゃなくてFM音源が自分の手の届く所まで来てくれたらなぁ・・・と思いながら、その日は眠りに就いた。

 

(以下、その2につづく) 

gyabuneko.hatenablog.com

 

マイコンBASICマガジン別冊(NAMCO VIDEO GAME MUSIC PROGRAM大全集)を買って来たある日(回想録)

1980年代当時の話です。

 

話は前後しますが、実は、楽譜を見ながらMSXで曲プログラムを打ち込めるようになる以前は、以下の本を購入して曲プログラムの作り方を勉強(遊び?)していました。

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ナムコビデオゲーム・ミュージック・プログラム大全集(マイコンBASICマガジン別冊:電波新聞社

 

上の画像の本は、その前に発売されていた「ALL ABOUT NAMCO」という雑誌で曲プログラム作品の募集告知がありまして、そこで採用されたプログラム投稿者の作品が掲載された本です(ちなみに「ALL ABOUT NAMCO」と同様に、namcoゲーム音楽の楽譜集も載っています)。

 

そこで私は、MSXで曲プログラムを作りたい一心でこの雑誌を購入しまして、当初はプログラム言語の意味が理解出来ないながらも、とりあえずは雑誌掲載のプログラムリストを見たままデータを打ち込めば曲は鳴るので、それで楽しんでいました。

 

そうして何曲かデータを打ち込んでいくうちに、楽譜とプログラム言語の相関関係が何となく理解できるようになったので、ここでようやく「楽譜をプログラムデータ化してみたい」と思うようになったのです。

 

 で、手始めに、当時熱中していたゲーム(GAPLUS)の曲を、雑誌掲載の楽譜集を見ながらプログラムを作り始めたのですが、ここで、MSX-BASICの限界を思い知らされました。

 

 MSXには「PSG」という音源チップが搭載されているのですが、これが中々の曲者で、ハードウェアエンベロープ(以下HWE)を3ch全てにセットして鳴らすとHWEが全ch連動してしまう仕様なので、それを知らずにプログラムしていた私は「楽譜通りに打ち込んだのに、楽譜通りの音じゃない!しかも、何でこんなに全chポンポン鳴ってるんだ!?」と不思議に思っていました。

それもそのはずです。PSGのHWEは、ch毎に個別のリズムで鳴らす事が出来ない仕様だったのです・・・(´Д`;)…うわぁ…

 

 そして、それよりも致命的なのは「最速テンポ255の64分音符が正確な音長で鳴ってくれない(これは実質、テンポ180の16分音符とほぼ同等の音長です。)」という事実。

(ちなみに、同じPSG搭載の他機種で同じように鳴らすとその通りの音長で発音するので、この致命的な制約はMSX特有のものと思われる。)

ナムコゲームで特徴的な効果音をMSXで再現するためには、この制限はかなりのネックです。

 しかし、それを克服した曲プログラムリスト(PAC & PAL)が、この雑誌に載っていたのです!これは、目から鱗でした。

そこで私は「この方法をマスターすれば、好きなように効果音が作れる!」と思い、そのプログラムの解析を試みました。

 

解析内容を端折って説明しますと、SOUND文で定義した音程データをFOR~NEXT文で括ると、MMLで鳴らす音符よりも高速で鳴らす事が可能になるのです。

この方法をマスターした私は、これでようやくGAPLUSのコイン投入音をMSXで再現できるようになりました・・・

 

・・・ と、ここでようやく、以下のブログの話に繋がる訳です。

gyabuneko.hatenablog.com

 

 この時、MSXユーザーに成って間も無い私は、『パソコンというものは何でも出来る魔法の箱だと思っていたが、実は何も出来ない(正確に言うと「一応出来るけど、機材上に於ける制約が多い。」)』という現実を知りました。

 

この頃に培った打ち込みテクニックもさる事ながら、それよりも自分にとっては「制約の多い機材を如何に使うか?」という「工夫と発想力」を鍛えられた事が、貴重な経験でした。

 この「工夫と発想力」は、MSXチップチューン音楽をやる上で、今も活きています。

ゲーム音楽の楽譜を見ながら初めてMSXで曲プログラムを打ち込んだある日(回想録)

1980年代当時の話です。

 

MSXパソコンを購入してからというもの、それにすっかり夢中になっていた高校生の私は、ある日の放課後、学校帰りに立ち寄った本屋さんで偶然、一際目を引く表紙の本を見つけました。

それは、ゲーマーなら誰もが知っている「パックマン」のキャラがドーンと載ってる、パソコンユーザーの間では今も伝説となっている「マイコンBASICマガジン」の別冊の、

ALL ABOUT NAMCO

という本です。

これが、その本です。

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ALL ABOUT NAMCOマイコンBASICマガジン別冊)(電波新聞社

ちょっと立ち読みしてみたら、ナムコのドット絵キャラクターデータ集と楽譜集が載ってるではないか!

ゲーム開発現場でしかお目にかかれないような技術資料を、こうして惜しげもなく載せている雑誌に衝撃を受けたと同時に、自己表現に飢えていた私の創作魂が疼いた。

「ほ、欲しい! でも、2,500円か・・・.くっ・・・お金が足りない・・・orz」

「あの本、明日も残ってるかな・・・」と、気が気でなかったが、その日は諦めてそのまま帰宅した。

 

そして翌日の放課後、再び本屋さんへ駆け付けたい所だったが、ちょうどその日は部活動で行けなかったので、級友に「頼む!あの本を買ってきてくれ!」と、お願いした。

 

次の日、本を無事確保したとの一報を聞いてその本を手渡されたが、その時『実は危うく買えなくなる所だったよ。ちょうど同じタイミングで小(中?)学生の男の子が、残り最後の一冊のその本を買おうとして手を伸ばしたので、どっちが買うかジャンケンで決めたんだよね。』と聞いて (;´∀`)…うわぁ…

こうして、寸での所で手に入れる事ができた私は、本当にラッキーだった。


あの本は内容がマニアックなので、相当な物好きでないと買わないはずだと思っていたが、私の他にも物好きなユーザーがいたようで、身近に同じ趣味の仲間がほとんどいなかった私には、それが嬉しかった。

この時に、私のせいで残念ながら買い逃したその少年も、その後ALL ABOUT NAMCOを何処かで買ったであろう・・・と思いたい。そして、パソコンを使って今も何かを創作しているのであろう、と・・・

 

そんなこんながあって運良く買えた「ALL ABOUT NAMCO」ですが、自分の目当てはもちろん、その本に掲載の楽譜集です。

当時、熱中していたNAMCOのゲームで「GAPLUS」というゲームがありまして、その本にその楽譜が載っていたので「この曲をMSXパソコンで鳴らしてみたい!」と思って、楽譜をパソコン用の言語(MML)に置き換えてプログラムしていました。

 

でも、楽譜だけを頼りにデータを打ち込んでも何か間違いが起きるかと思って、サントラ(ザ・リターン・オブ・ビデオゲーム・ミュージック(下の画像)

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THE RETURN OF VIDEO GAME MUSIC(アルファレコード)


)も参考にしながら楽譜をデータに置き換えていきましたが、楽譜通りに打ち込んでもサントラの音色と全く違う!いや、音色が間違ってるとかの話以前に、オクターブが違う。何故だ・・・?

・・・と、ここで、楽譜の「8va」の記号の意味を理解した。

 

それと、そのゲームの効果音の楽譜も載っていて、その楽譜もデータに置き換えてみたが、MSXから出て来た音は「何かが違う」・・・(´ε`;)ウーン…

それもそのはず。MSX-BASICのMMLの処理速度では、最速テンポ255で64分音符の音長は正確な音長で鳴ってくれないのです(MMLレベルではサポートされているが、実際はそこまでの処理能力は無い)。

つまり、MSX-BASICの実用レベルで使えるテンポと音符は、テンポ180の16分音符までが限界だったのです(これは私の経験上の話なので実際は微妙に違うかもしれませんが、ともかく、MSX-BASICの処理速度に、こうした限界があったのは事実です。)。

この現実を知って、愕然としました。

ここでMSXの限界にぶち当たる事になろうとは・・・(´Д`;)…うわぁ…

 

しかし、この効果音を、どうしても鳴らしてみたい!が、一体どうすれば・・・?

結果的には、効果音を鳴らす事に成功した訳ですが、この辺りの話は、また別の機会にしたいと思います。

そうして完成した曲が、これです(10:59から)。

(イントロのコイン投入音は、先述のとある方法で鳴らす事に成功した効果音です。)


MSX BASICで音楽をいろいろ演奏してみた(PSG)

 

同じく、これも(10:59から)。

www.nicovideo.jp

こうして、譜面をMMLに置き換える方法を覚えたおかげで、楽譜も読めるようになった。

音楽の授業でも全く理解できなかった楽譜の読み方も、こうして好きなものに夢中になる事で、ようやく読めるようになった。

 

「好きこそ物の上手なれ」と、昔の人は言ってたけど、そういえば、ドラゴンボールの歌(WE GOTTA POWER)にも、そういう趣旨のフレーズがあったなぁ・・・

でも、自分はスゲェ奴でも何でもなく、いまだにこうしてMSXで曲の打ち込みやってる只の「バカの一つ覚え」ですが・・・(´∀`;)ウーン…まぁ、いいかw

ゲーム音楽を初めて耳コピしてMSXで打ち込んだある日(回想録)

1980年代当時の事です。

 高校生だった私は、学校帰りに級友と一緒に寄り道したおもちゃ屋さんで、何やら電子音が聞こえていたので気になってそこへ近づいてみたら、テーブル筐体のアーケードゲームがあるじゃありませんか!

スターフォースエクセリオン!1942!ドラゴンバスター

「おおおお!キタ――(゚∀゚)――!! これはもう、やるしかない!」と。

(私が通ってた高校ではゲーム禁止してはいなかったので、堂々と遊ぶ事ができた。)

 

 早速、スターフォースをプレイ。

スターフォースファミコン版もこの当時はプレイしていたが、さすがはAC版です。色数も多い!音もぶ厚い!(確か、音源チップがDCSGを3個搭載していたゲーム基板だったかな?)

 

 で、それ以来、そのおもちゃ屋さんにはほぼ毎日のように通うようになった訳ですが、そこで聴いたスターフォースの1位ランキング曲が気に入ってしまい、そこで「その曲を耳コピしてMSXでプログラムしたい!」と思って、テープレコーダーを持って来てその曲を生録していました。

 

 録音中に「あーあーマイクのテスト中あーあー」と、級友の邪魔が入って「やーめーてー(;´∀`)…うわぁ…」とか言ってみたりなど途中アクシデントがあったが、ランキング曲は無事録れたので「さぁ、後は採譜だ!」と完成した時の事を想像しながら家路を急いだ。 

 

 ちなみに、楽譜の読み方は、マイコンBASICマガジン別冊の「ALL ABOUT NAMCO」に載ってたゲーム音楽の楽譜集を見ながら曲プログラムを打ち込んでいたおかげで、分かるようになった。

 音楽の授業でも全く理解出来なかった楽譜の読み方だが、こうして好きなものに熱中するようになってから、ようやく理解できた。

「ALL ABOUT NAMCO」の本を買ってなかったら、未だに楽譜は読めないままだったかもしれない(この辺りの話は、以下の記事に纏めました。)。

gyabuneko.hatenablog.com  

 原曲では矩形波が確か9ch鳴ってたかな?1つのパートに複数ch音を重ねて鳴らしていてかなりぶ厚い音だったのに対して、MSXはPSG 3chなので圧倒的に音が足りないわけですが、アタックの鋭さに特徴があるあの音色をMSXで再現するために、ある工夫を思いつきました。

 それは、「アタック部分をハードウエアエンベロープで鳴らした後に、ディケイ以降の部分をVコマンドに切替えて鳴らす。」という方法です。

 これを、MSX-BASICで打ち込むと、こう成ります。

 

10 PLAY"T150 L4 S0M1300 o4C V11C"

 

 こうすれば、非力なMSX-BASICのMMLでも、原曲に近い音色は何とか再現できます。(この方法は「ソフトウエアエンベロープ」と呼ばれているテクニックの一つです)

そうして完成した曲が、これです(8:00から)


MSX BASICで音楽をいろいろ演奏してみた(PSG)

 

 同じく、これも(8:00から)。

www.nicovideo.jp

 

これが、私の初の耳コピ再現曲でした。

MSXで初めて音楽のプログラムを作ったある日(回想録)

1980年代、念願のMSX「National(現・Panasonic) CF-3000」を購入できた当時高校生だった私は、このパソコンを使って音楽を演奏したいと思うようになりました。

ただ、そのためには何をどうすればいいのか分からなかったので、とりあえずは音楽のプログラムリストが載っている雑誌を買ってきて、それを見ながらデータを打ち込んでいました。

 

雑誌名は忘れましたが、確か、最初に打ち込んだ曲プログラムは、安全地帯の「真夜中過ぎの恋」だったかな?

で、曲プログラムを実行したら、ビルの夜景の絵が表示されて、それから曲の演奏が始まっていたような覚えがあります。

ちなみに、その雑誌は今は手元にありません。中古屋さんに売ってしまったのか、はたまたチリ紙交換に出してしまったのか・・・(^ω^;)ウーン…全く記憶に無い・・・

(この情報だけで雑誌名が分かるマニアの方、おりますでしょうか?)

 

MSXには、矩形波を3和音同時発音可能な「PSG」という音源チップが搭載されており、先述の曲はこのPSGで奏でていました。

ただ、なにしろ3和音ですので、原曲のようにゴージャスなサウンドは望むべくも無く「ベース1音、メロディ1音、サブメロディ1音」という極めてシンプルな編成のプログラムリストだったと記憶しています。

 

それでも、自分のパソコンから「Jポップが鳴ってる!」というその事実だけで感動でした。曲プログラムを実行してる最中は、頭の中では安全地帯のあの原曲がイメージで鳴っていました。

 

そして、心ゆくまで曲を堪能したところでMSXの電源を切ったのですが、翌日、MSXに電源を入れてその曲プログラムを実行しても演奏が始まりません。

そりゃそうです。この当時の私は「パソコンというものは、電源を切ってしまうと、それまでに打ち込んだデータが全部消えてしまう」という事実を知らなかったのですw

しかも、打ち込んだプログラムデータをカセットテープに保存(セーブ)するという発想が無かったのですww

なので、「また最初から曲データを打ち込まなきゃいかんのですか?」と・・・(;´∀`)…うわぁ…面倒くせぇー・・・

 ここで初めて、打ち込んだデータを保存するための「データレコーダー」という物が必要だという事を理解しましたw

この後、近所の電気屋さんへ行って、データレコーダー(National RQ-8300)を注文しましたw 

 

最近、あの当時打ち込んだその曲が聴きたくなって、プログラムを保存したカセットテープを探したのですが、これまた何処へ行ったのか全く分かりません。

もしかしたら、他のデータを上書きしてしまったのかも・・・

MSXと私の最初の出会い(回想録)

MSXとは何ぞや?」と思う方のために簡単に説明しますと、それは1980~1990年代に市場で流通していた「パソコン」です。

そのパソコンは、ゲームも出来るし、プログラムも作れるし、拡張性にも富んでいて、備え付けのカートリッジ挿入口に拡張機器を挿せば、様々な機能を持つ機器に早変わり!

まさに、使う人のアイデア次第で何でも出来る「魔法の箱」という、夢の機械だったのです!

 

 1980年代、当時高校生だった私が初めて買ったMSXパソコンが「National(現・Panasonic) CF-3000(当時79,800円)」で、これは弟と貯めた小遣いを半分づつ出し合っての共同購入でした。

この当時は、ファミコンを買うか?パソコンを買うか?で迷っていたのですが、「プログラムを組めば自分の好きなように何でも創れる方が面白そう!」と思ったので、パソコンを買う事にしました。

 

ただ、アーケードゲームと見紛う程の超絶クオリティのゲームソフトが目白押しだったファミコンも確かに魅力的ではあったのですが、それよりも「自分で何かを創れる」というクリエイティブな潜在能力を持つパソコンに「夢」を感じていました。

これは言い換えると「自己表現出来る魔法の箱」と言っても過言ではないでしょう。

 

1980年代当時のパソコンはMSXの他にも様々な機種がありましたが難解でした。その中でもMSXは、自分のようなパソコン初心者には取っ付き易かったのです。

なにしろ「カートリッジを挿してゲームが遊べる」というその分かり易さは、敷居が高いパソコンというものをグッと身近にしてくれましたし、これによってパソコンユーザーの裾野が広がったのは、ほとんどの方が認める所であろうかと思います。

 

MSXを買った最初の頃は何に使っていたかというと、やっぱりゲームですね。

NAMCOTから発売されていた「MAPPY」とか遊んでいましたが、MSXってキャラが単色なんですよね。ファミコン版MAPPYのようにカラフルではありません。そこはパソコン(汎用機)という事で、残念ながら画像処理能力がゲーム専用機には叶わなかったのです。

ですが、それでも「自分で何かを創れる」というクリエイティブなパワーを秘めていたMSXは、自分にとっては何物にも代え難い魅力的な魔法の箱だったのです!

 

MSXが「自己表現出来る魔法の箱」という事に気付いたのがきっかけで、後にMSXを使って音楽(いわゆるChiptune)を創るようになっていくわけですが、その話はまた別の機会にしたいと思います。