gyabunekoの部屋

レトロPC(MSX)でChiptune音楽、ゲーム、その他いろいろ趣味について書いてます。

初めてパソコンでFM音源の音を聴いたある日(その2)(回想録)

1980年代当時の話です。

(その1の続きです。記憶がだいぶ薄れていて中々思い出せないのですが、何とか記憶を掘り起こして書いてみました。)

(その1は、以下のリンクをご覧下さい。) 

gyabuneko.hatenablog.com

 

 FM音源搭載のパソコンでFM音色を鳴らすコマンドを覚えた私(当時は高校生)は、学校帰りに立ち寄った電気屋さんに置いてるPC(確か、NEC PC-6001mkⅡSRだったかな?)を使って、耳コピーした沙羅曼蛇のボス曲をその場で打ち込んでいた。

 

「うおおーっ!鳴ってる鳴ってる!MSXのPSGとは全然違うリアルなベース音色!」

「・・・あれっ?何だかテンポがズレているような・・・?でも、耳コピーした時に採譜した音符の通りにデータ化したはずなんだけどなぁ・・・?何で?(´ε`;)ウーン…」

その日は、その謎が分からないまま、電気屋さんを後にした。

 

 そして、ある日の放課後の事。帰りの汽車は待ち時間が長くて、いつもは汽車の発車時間までオモチャ屋さんのゲームコーナーで時間を潰していたのだが、お金が無いので、その日は学校の近所に住んでる同級生の家にお邪魔して時間を潰す事にした(その日は、自分の他にも5~6人ほど帰りの方向が自分と同じだったので、その仲間たちもそのお宅にお邪魔していた。)。

 

 そして、部屋にお邪魔させてもらったら、な、何と!

「おおーっ!ファミコンがある!(´∀`)」

「おおおーっ!MSX東芝PASOPIA IQ)もある!これは音声出力端子がステレオ仕様なんだよねー!(^ν^)」

「おおおおーっ!しかも、マイコンBASICマガジンベーマガ)まで!(・∀・)  これだけのアイテムが揃っていれば、何時間でも居られる!(゚∀゚) (いや、それは迷惑になるだろw)」

 

 他の仲間がファミコンゲームに興じているのを尻目に、自分はベーマガを読みふけっていた。そして、その雑誌で見た記事(ゲームミュージックプログラムコーナー)に衝撃を受けた私は、思わず・・・

「ここの記事だけ欲しいんだけど、ここだけ切り取ってもいい?」

・・・と、お願いしたら、「いいよ」と同級生が言ってくれた。

これは、今思えば非常に無茶なお願いだったと思う。よくまぁ、切り取る事を許してくれたよなぁ・・・(^ω^;)ウーン…

 スペースハリアーツインビーファンタジーゾーン、カルテット、沙羅曼蛇・・・

切り取ったこれらの曲プログラムリストの記事は、今も大事に保管している。

 

 で、ここからが本題。

その切り取った記事をよく読むと・・・

FM音源搭載のNEC PC-8801mkⅡSRは、普通にプログラムしたのではテンポがズレてしまうので、プログラムする曲で使われている最短音符のみを使って打ち込むと、テンポがズレません(これは「最短音符合わせ」と呼ばれているテクニックである。)」

「NEW CMD:POKE &hE21A,テンポ値:CMD STOPM(これで、細かいテンポ調節が可能となる。)」

 ・・という内容だった。(この他にも、衝撃的な記事が載っていたのだが、それはまた別の機会に書きたいと思います。)

 そこで私は、前述の電気屋さんでの体験(テンポずれの謎)が何だったのかを理解した。どうやら、これはその機種特有のバグ(仕様?)のようで、それを克服するための工夫が、雑誌に載っていたこの記事だったのです。

 そうか!「最短音符合わせ」か!MSXユーザーの私には思いもよらないテクニックだった。この方法を編み出した人は天才だと思った!Σ(´∀`;)

 

 その後日、寄り道した電気屋さんに置いてあったNEC PC-8801mkⅡSRで、その方法を使って沙羅曼蛇のボス曲を再びプログラムしてみたら、テンポがズレない!(´∀`) 

 あの記事を読んでからは、曲プログラムコーナーを読みたさにベーマガを毎月買うようになった。

 

 で、これは後で知ったのだが、「最短音符合わせ」のテクニックは、以下の雑誌で既に載っていて(掲載時期的に、こっちの雑誌が先だった)、

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namco VIDEO GAME MUSIC PROGRAM大全集(マイコンBASICマガジン別冊:電波新聞社

しかも、驚く事に、そのテクニックを使って曲プログラム「ドルアーガの塔(PC8801mkⅡSR用)」を投稿した人物が、「イース」や「ソーサリアン」や「世界樹の迷宮」などの名曲の数々を作曲した、あの古代祐三氏だったのだだだ!!Σ(´∀`;)

 (恐らく、氏が「最短音符合わせ」のテクニックを最初に編み出した人物ではないかと推測。)

 

 こうして、気が付くといつの間にか、私はすっかりチップチューン道に嵌まっていた。