gyabunekoの部屋

レトロPC(MSX)でChiptune音楽、ゲーム、その他いろいろ趣味について書いてます。

ついに憧れのFM音源(MSX-Audio)を手に入れたある日(回想録)

1980年代当時の話です。

 

 それまではYAMAHAMSXでしか使う事ができなかったFM音源ユニットが、YAMAHA以外のMSXにも使えるという画期的なFM音源カートリッジがPanasonicから発売されるという情報を「MSXマガジン」という雑誌で見つけた。

しかも、付録のソノシート(以下の画像)も付いてた!

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MSXマガジン1987年7月号付録ソノシートMSX-Audioの音楽)

 早速、この付録の音を聴いてみた・・・

「おおおーっ! PSGとは次元が違うリアルな音色!ほ、欲しい!」

で、値段を見たら、¥34,800・・・

「高い!MSX2が買える値段じゃないか・・・」

と、一瞬躊躇したが、拡張BASICも付いているMSX対応FM音源カートリッジが現状これしか無いとあっては選択の余地が無いと思い、思い切って買う事にした。

 そして、ついに念願のFM音源MSX-Audio」を手に入れた私は、それまでのPSG3重和音の制約のうっ憤を晴らすかのように、曲プログラムを作っていた。

 

その当時作った曲プログラムが、以下の動画で聴けます。

(2:52から)(曲毎のコメント付き)


MSX BASICで音楽を色々演奏してみた:その1(PSG,MSX Audio)

 

 最初に箱を開けた時は、カートリッジの異様な形状に面食らったw

Panasonic社製MSX2(A1シリーズ)に挿すと丁度良い具合に収まるのだが、機種によっては、以下の画像のように、横にはみ出てしまうのだ・・・(´∀`;)ウーン…

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Panasonic A1STにMSX-Audioを挿した所(MSX-Audioが、はみ出てしまっている)

 MSX-Audioの曲プログラムを作り始めた頃は、自作音色の作り方が分からなくてプリセット音色だけを使っていたが、それでもPSGに比べたら段違いにリアルな音だった。

 さらに、MSX-Audio内蔵の拡張BASICモードを立ち上げる事によって、64分音符まで「一応」その通りの音長で鳴ってくれるように成った。

ただ、「一応」というのも、いかんせんBASIC言語なので、音符データの読み込みが遅くて、速い音符を多用するとテンポがズレてしまうのだが、それでも従来よりは大分マシに成った。

 

 この頃も相変わらず、休日になると街に繰り出してはデパートのゲームコーナーでゲーム音楽をカセットテープに生録して耳コピーして譜面を起こして曲プログラムを打ち込んでいた。

 曲の耳コピー用のネタ探しで、ゲーム音楽ソノシートが付録の雑誌「Beep」も、毎月チェックしていた(しかも、ゲーム音楽の楽譜集も載っていたりもした)。

そのソノシートには、市販のサントラには入っていそうにない曲も入ってたり、サントラ化される前の曲も入っていたりするので、そういう意味では貴重な音源だった。

(以下の画像が、雑誌「Beep」で最初の付録ソノシート。)

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Beep 1986年11月号特別企画(セガゲームミュージック

 

 しばらく使っていくうちに、プリセット音色に物足りなさを感じるようになってきた頃、マイコンBASICマガジン1988年9月号の「FM音源110番」のコーナーで、MSX-Audioの自作音色作成プログラムが載っているのを見つけたおかげで、自分の好きなようにFM音色を作る事が出来るようになり、これでようやくNEC PC8801mkⅡSR(以下PC88SR)で聴いていたあの音色をMSXでも鳴らせるようになるはずだ・・・

と思いきや、ここでPC88SRとMSXの決定的な違いを思い知らされた。

 

 MSX-Audioに搭載の「Y8950」という2オペレータFM音源は、PC88SRに搭載の4オペレータFM音源(YM2203)とは違う系統のFM音源なので、PC88SRで特徴的な変調の強く掛かったベース音色などは、MSX-Audioでは絶対に出せない音色だという事だった。

 それまでは、2オペレータと4オペレータの違いが何なのかが分かっていなかったので、これはちょっとショックだった・・・

・・・(´・ω・`)ショボーン

 

MSX-Audioは、4オペレータFM音源のような音色は本当に出せないのか?」

「PSG3chの制約から解放されたと思ったら、ここへ来てまた新たな制約か・・・」

 

かくして、2オペレータFM音の限界を超えるべく、音色の研究の日々が始まった。